カーリング世界選手権出場を逃した「氷上のゴミ」。LS北見に今必要なもの (2ページ目)

  • 竹田聡一郎●取材・文 text&photo by Takeda Soichiro

 デリケートな氷上のスポーツであるカーリングでは、時折見られるアクシデントだ。アイスの上に落ちた小さなゴミや髪の毛などの上をストーンが通過すると、その軌道は大きくズレる。このLS北見のラストショットもゴミを噛んでしまったようで、結局ストーンはショートし、ハウスまで届かなかった。中国に2点をスティールされて、LS北見は逆転負けを喫した。

 この1敗が響いて、LS北見は6勝1敗という1位タイの勝ち星を挙げながら、DSC()の結果によって3位で決勝トーナメントに進むこととなり、準決勝で再び中国に敗れた。1位で通過していれば、準決勝では4位通過のニュージーランドとの対戦だった。そうすれば、おそらく違った結果になっていただろう。
※カーリングではゲーム前、練習の最後に両チームの代表選手がドローショットを投げて、そのショットがハウスの中心から近いほうが、先攻・後攻を選択できる。それを「ラストストーン・ドローズ=LSD」と言う。そして、例えば予選リーグで勝ち星が並んだ場合、そのLSDのリーグ戦における平均数値によって順位を決める。それを「DSC=ドローショット・チャレンジ」と言う。なお、LSDの平均数値が低いほうが上位となる。

 3位決定戦では、そのニュージーランドに10-3と圧勝。きっちり銅メダルは獲得したが、来年3月に行なわれる世界選手権(中国・北京)の出場権は得られなかった。幸い、今春の世界選手権でLS北見が2位となって、日本女子の平昌五輪の出場は確実視されているが、五輪の前に世界レベルの戦いを経験できないことは、最終的にLS北見が、もしくは別のチームが日本代表になったとしても、日本にとって決して小さくない痛手である。

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