綱取りに挑む豪栄道。角界の重鎮たちが語った「連続優勝への条件」 (3ページ目)

  • 松岡健治●文 text by Matsuoka Kenji
  • photo by Kyodo News

 綱取りのポイントを、友綱副部長は「先場所の相撲を続けること」と語る。かつてない重圧がのしかかることが予想されるが、「豪栄道は気持ちが強いので、プレッシャーでつぶされることはないと思う」としたうえで、「大切なのは攻めること。『勝ちたい』と思うと相手の良さを消すことに躍起になり、守りに回ることが多くなる。それではいけない。攻めの姿勢を忘れなければ、自ずと結果は出るでしょう」と指摘した。

 相手のことを考えるあまり、守りに回ってしまうのは豪栄道の「悪癖」ともいえる。先場所の13日目、横綱・日馬富士戦がまさにそうだった。立ち合いで日馬富士の突進を受け止める形となり、一気に土俵際へ追い込まれた。最後は首投げで辛くも勝利を収めたが、元大関・霧島の陸奥親方はその内容に苦言を呈す。

「後手に回るとあのような相撲になってしまう。あの相撲を反省して攻めに徹する姿勢を見つめ直してほしい」

 友綱副部長と同じように、綱取りのポイントは、「攻め切れるかどうか」と強調。守りに入っては綱取りの道は厳しいと繰り返し述べた。また、陸奥親方は大関時代の1991年の初場所で優勝した自身の経験をふまえ、「優勝するときは、勢いが大切。そのためにもカギは序盤の3日間。ここをいい内容で勝っていけば、一気に勝ち切る可能性が高くなる」と、スタートダッシュの重要性を訴えた。

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