【月刊・白鵬】横綱も絶賛。十両で喝采を浴びる小兵力士たち

  • 武田葉月●構成 text&photo by Takeda Hazuki

第63回:小兵力士

日頃から精力的に稽古をこなしている石浦(写真左)日頃から精力的に稽古をこなしている石浦(写真左)大関・稀勢の里の横綱昇進が注目された
名古屋場所(7月場所)。しかし、
惜しくもその夢は実現しなかった。
その一方で、十両の小兵力士たちが
土俵上で躍動し、ファンの喝采を浴びた。
横綱も彼らの奮闘ぶりには目を細めていた――。

 大相撲名古屋場所(7月場所)は、横綱・日馬富士の8度目の優勝で幕を閉じました。

 私はこの場所、通算1000勝と38回目の優勝を目指して臨みました。しかし後半戦に入ってからは、自分でも歯がゆい内容の相撲が続いて10勝5敗。不本意な成績に終わり、ふたつの目標を達成することはできませんでした。

 まさに夏真っ盛りの、高温多湿の気候の中で行なわれる名古屋場所は、1年で6度開催される本場所の中でも、体調を整えることが最も難しい場所だと言われています。そうした状況にあって、かつては1972年の高見山関(前・東関親方)や、1992年の水戸泉関(現・錦戸親方)などが平幕優勝を飾って、「荒れる~」という形容詞が付くことがしばしばある場所です。

 今場所も、小結の高安、平幕の貴ノ若ら若手力士が大健闘。彼らが最後まで優勝争いに加わって、波乱ムードに包まれました。

 そんな中、最も注目されていたのは、大関・稀勢の里の横綱昇進なるか、でした。

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