【フェンシング】リオ出場に黄信号。危機を救うのは10代の2人 (2ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 望月仁●写真 photo by Mochizuki Hitoshi

 万能型の松山は世界ランキング90位だが、太田以来のインターハイ3連覇を果たし、12年世界カデ(17歳以下)選手権で優勝した選手だ。一方の敷根は、身長181cmでなおかつ剣を持った手を引き気味に構える、これまでの日本人にはないスタイル。世界ランキングは157位だが、10月末のジュニアワールドカップバンコク大会で優勝し、勢いに乗っている選手だ。

 初戦のブラジルに勝って臨んだ勝負のアメリカ戦。世界ランキング1位のラセ・インボーデンを筆頭に4人全員がランキング11位内に入っている強豪に対し、日本は太田と千田、松山で対戦。第5ピリオドの太田で22対25とされたが、次の千田が逆転し、30対27と競り合う。だが次の松山が「最初に相手のインボーデン選手にポイントを取られて受け身に回ってしまった」と再度逆転を許してしまった。最後の太田が43対44まで迫ったが、残り22秒で45点目を取られて敗退した。

 その後の5~8位決定戦からは若い2人が健闘をみせた。最初の戦いは8月の世界選手権2位のロシアを相手に、第6ピリオドで松山が出だしから連続6ポイントを取るなどして30対28。それまでは硬さも目立っていた敷根も第7ピリオドでは先に5点を先取して逃げ切った。最後は太田が45対39で決めてロシアに勝利。

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