被災地の「いま」を感じるために。3回目の「ツール・ド・東北」 (2ページ目)

  • 山口和幸●取材・文・撮影 text & photo by Yamaguchi Kazuyuki

 気仙沼のスターターを務めたのは、パラリンピックで活躍する佐藤真海だ。気仙沼市出身。出産後4ヶ月で、まだ赤ちゃんの面倒をみなければならないため今回の実走はなかったが、「この大会で沿道の人とふれあうことで、東北の魅力を感じてくれた人がその後も東北を訪れてくれるのがうれしい」と語った。

 ケネディ大使は昨年に続いての参加で、昨年は石巻を発着とする65キロのコースを完走した。

「(昨年は)気仙沼まで足を運べなかったのが残念だったので、今年は気仙沼をスタートするコースに挑戦しました」

 アップダウンの連続する三陸海岸沿いのコースは厳しかったはずだが、ゴール後は、「参加できてとてもよかった。すごく楽しい経験をさせてもらった」と笑顔。

「沿道で声をかけてくれるボランティアのみなさんに、まずは感謝したい。東北の景色を楽しみながらも、復興の精神をひしひしと感じることができた。もちろん来年も走りますよ」

 道端は第1回からの出場で、過去2回は最長コースに挑んでいる。大会の広報大使を務めていることもあり、今回は注目の集まる新設コースを走ることになったが、日常から自転車のトレーニングを積み重ねていることは、その走りを見れば分かる。時速40キロ超のスピードでアップダウンばかりの三陸リアス式海岸を走り、点在するエイドステーションでは地元の人がもてなす料理を口にして、「おいしい」と連発した。

2 / 4

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る