【レスリング】吉田・伊調以外で金メダル候補は育っているのか? (2ページ目)

  • 宮崎俊哉●取材・文 text by Miyazaki Toshiya  photo by AFLO

 UWWが年に数回発表する世界ランキングは、オリンピック、世界選手権、大陸別選手権・競技大会、ワールドカップ(国別対抗団体戦)といった主な国際大会の成績によって決定する。将来的には、各大会でランキング1位と2位を別ブロックとするシード制を導入しようとの案もあり、ランキングの信頼性は高い。

 しかし、欧米の選手に対して、日本人選手の国際大会への出場数が少ないことは問題だ。吉田・伊調の強さは別格で、国際大会や大陸別選手権に出場せずともランキングが下がることはないが、他の日本人選手は前年の世界選手権優勝者であっても大会出場数が少なければ、その間に国際大会で勝ち続けた世界ランキング2位の選手に逆転される。

 48キロ級の登坂絵莉(とうさか・えり/至学館大)は、2013年9月に行なわれた世界選手権で初優勝を遂げた後、世界ランキング1位となった。だが、日本で開催された団体戦のワールドカップには出場したものの、翌年の世界選手権まで個人戦では国際大会に出場しなかった。すると、その間にパリ・グランプリ、クリッパン女子国際大会、欧州選手権、ドイツ・グランプリに出場し、国際大会で4連続優勝したロンドン五輪・銀メダリストのマリア・スタドニク(アゼルバイジャン)が登坂と入れ替わってランキング1位となった。

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