【レスリング】吉田・伊調以外で金メダル候補は育っているのか? (3ページ目)
それでも、地力に勝(まさ)る登坂は、2014年の世界選手権に出場して大会2連覇を達成。さらに2週間後、韓国・仁川で開催されたアジア競技大会でも優勝を飾り、ランキング1位に返り咲いた。その後は国際大会に出場せずとも、現在までずっと1位をキープしている。UWWの中では、登坂も吉田・伊調並みの扱いになったということかもしれない。
今年9月にアメリカ・ラスベガスで開かれる世界選手権でも、よほどのことがないかぎり登坂が優勝を逃すことはないだろう。2016年のリオデジャネイロ五輪でも、金メダル候補ナンバー1であることは間違いない。国内でのライバルたち、宮原優(東洋大)や入江ゆき(自衛隊体育学校)との「世界で最も過酷な代表争い」を制せば、2020年・東京五輪での金メダルも夢ではない21歳の期待の星だ。
ちなみに、国内予選で登坂に敗れ、世界選手権やアジア競技大会には出場できず、2番手、3番手としてワールドカップやアジア選手権などの国際大会に出場した宮原や入江も、それらの各大会で好成績を残している。48キロ級のランキングでは、宮原が4位、入江が19位に入っている。
そして今、登坂とともに来年のリオデジャネイロ五輪、さらには5年後の東京五輪でも活躍が期待されているのが、69キロ級の土性沙羅(どしょう・さら/至学館大)だ。吉田沙保里の父、故・栄勝(えいかつ)氏が指導する三重県・一志(いちし)ジュニアレスリング教室で鍛えられ、重量級ながらタックルを武器とする。
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