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好調・男子ジャンプ陣を支える。横川朝治HCの独自理論 (4ページ目)

  • 折山淑美●文 text by Oriyama Toshimi
  • 築田純●写真 photo by Tsukida Jun

 横川HCは「選手は大きな大会前になると自然に体が絞れて、短くしておいても、『シメシメ』というような長さになってくるんです」と笑う。

 またジャンプスーツのサイズが小さくなり始めてからは、各国があの手この手を使ってくる中で、対応が遅れて振り回されるだけだったが、縫い代のサイズや生地のカッティングなどを研究して改良してきた。

 選手たちも12~13年シーズンの夏に体のサイズ+0cmになった時に好成績をあげられたことで、技術的に劣っていたわけではなくジャンプスーツの差で負けていたと気づき、自分たちの技術に自信が持てるようになったという。

 その冬シーズンになると+2cmになって細工する余地も出てきたが、入ってくる情報には慎重に対応しながら研究を欠かさない。その成果が今の好成績につながっている。

「以前はチーム内でもコーチはコーチ、ワックスマンなどのスタッフはスタッフという感じだったんです。でも今は忙しければ僕らがワックスマンの仕事を手伝うし、ワックスマンやトレーナーも、『今、あの国はこういうことをやっているがどう思う』とか、『こういうトレーニングもあるけどどうか』などと話してきます。そういう意味でもいいチームになっていると思いますね」

 W杯組と国内残留組の格差を解消するためにも各企業のコーチとも連絡を密にして、トレーニング内容もすべてオープンな状態にしているというが、代表チームに来る選手は元々高い運動能力を持った者ばかり。新しいトレーニングを提示してもすぐにやりこなしてしまうため、常に「新しいものはないか」と、宮平コーチと考え続けている状態だと、横川は嬉しそうに笑う。

 そんな意欲的な雰囲気の中で好スタートを切った今シーズンの男子ジャンプチーム。葛西が3位になったW杯第6戦では、竹内が6位で伊東が7位と、トップ10に3人も入る好成績だった。今季は他の国も、日替わりでいろいろな選手が上位に顔を出すような状況だが、日本チームは今後4人目の選手がW杯ランキング10番台中盤に入って来るような状況になれば、ソチ五輪で団体の金メダルも夢ではなくなる。

横川ヘッドコーチの取り組みや、日本ジャンプ陣についてもっと深く知ることができる一冊はこちら>>栄光への挑戦

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