2012.08.01

【体操】断ち切れなかった「負の連鎖」。内村航平が「敗因」を語る

  • 折山淑美●文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by JMPA

銀メダルに終わった日本代表チーム。左から加藤凌平、田中和仁、山室光史、田中佑典、内村航平 五輪前、エースの内村航平が「1位で予選を通過するイメージしかない」と話していた体操男子団体。開会式翌日に行なわれた予選は、日本チームにとってまさかの展開となった。

 最初の種目だった鉄棒で、田中和仁が落下寸前で完全に演技が停止するミスを犯すと、2番手の山室光史も14点台前半の低得点に終わった。続く内村には、悪い流れを一掃する役割が期待されたものの、終盤の離れ技のコールマンでまさかの落下。鉄棒のスペシャリスト枠で代表になった田中佑典までもが落下するという、最悪のスタートになった。

 さらに3種目目のあん馬でも、田中和仁が2度の落下。予選後、内村が「鉄棒で落下した原因の答えが出ていなかったので、それを引きずった」と語ったとおり、日本チームに『落下の負の連鎖』が襲い掛かったのである。結局、日本は5位――。予選から勢いに乗るという思惑は、霧散する結果となった。

 そして7月30日の団体決勝も、そんな悪い流れを引きずるような雰囲気が漂っていた。

 つり輪からスタートした日本は、細かいミスがありながらも無難に1種目目を終えた。しかし、勢いに乗せるには依然として、『もやもや感』が残っていた。

 その空気は、次の跳馬で悪い方向に出てしまう。最初の内村は着地をピタリと決められなかったものの、15.900点とまずまずの演技。だが、ロペス(伸身カサマツとび2回ひねり)で16点台後半を狙った山室は、肩が跳馬に突っ込んでしまうミスでロペスを跳べず、四つん這いに潰れる着地で14.033点。その上、左足甲を痛めて、予定していた最終種目のあん馬に出られなくなる事態になったのである。