「今回は泣かないで滑りたい...」 村主章枝はトリノ五輪で涙をこらえた (2ページ目)
【今回は泣かない、楽しんで滑りたい】
トリノ五輪は、ジュニア時代に女子初の4回転サルコウを成功させシニアでも2季連続でGPファイナルに進出していた安藤と、2004年世界選手権優勝の荒川が注目されていた。そのなかで村主は彼女らしさを見せる、落ち着いた演技を披露した。
2月21日のSPは、前季世界女王のイリーナ・スルツカヤ(ロシア)が18番滑走で66.70点を出し、21番滑走の荒川が66.02点を出したあと、村主は27番滑走で登場。プログラムは『悲歌』だった。
「情熱を演技で表わすことをテーマにしてきた」と本人が話したように、力強くスピードがある滑り出しをすると、余裕をもって3回転ルッツ+2回転トーループを跳び、その勢いを3回転フリップにつなげる。後半のダブルアクセルのあと、アップテンポになった曲調に合わせ、さらにスピードアップしたキレのいい滑りでノーミスとした。
「今回の五輪は泣かないで皆さんと楽しんで五輪を滑りたいと思っていました。お客さんがたくさん応援してくれたのですごくいい時間を過ごすことができました」と話した村主。演技終了後には納得の表情を見せ、キス&クライでも笑顔だった。
だが、得点は思いのほかのびず61.75点。前季世界選手権2位で最終滑走のサーシャ・コーエン(アメリカ)が66・73点でトップに立ち、村主はSP4位発進だった。
内容を見ればジャンプの得点は、スルツカヤ以外には勝っていたが、スパイラルとスピン2本がレベル3になったところで差がつき、演技構成点もコーエン、スルツカヤ、荒川の3選手が30〜31点台だったのに対して、村主は29.14点と抑えられて5点前後の差になってしまったのだ。
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