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宇野昌磨が語る「プロになってより自由になった」理由 本田真凜の「僕にはないもの」も明かす (2ページ目)

  • 小宮良之●取材・文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 能登 直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

【仲間たちの魅力を引き出す】

ーー『Ice Brave2』はとても楽しみですが、つくり手としては「1」と比べてハードルも高くなりますね。

宇野昌磨(以下同) 初回よりもインパクトを残すって難しいんですよね。ステファン(・ランビエール)も(競技コーチのため)いないですし......。でも、8人で練習時間を長く取ることができる。みんなが驚くだろうということを試行錯誤して練習したいと思っています。

ーー『Ice Brave』は、プロデューサーとして全員の力を引き出したことによる"勝利"だったのではないでしょうか。高橋大輔さんの『滑走屋』でも若いスケーターが刺激を受け、成長を見せましたが、宇野さんの滑りも格別。また、たとえば櫛田一樹さんは千秋楽でみんなにいじられ、よい雰囲気が伝わっていました。

 くっしー(櫛田一樹)はいじらないと調子乗るんで(笑)。見かけはチャラそうですけど、真面目にちゃんとやってくれますし、いじられる立ち位置が一番、本領発揮できるので。千秋楽の途中のマイクパフォーマンスで泣いてしまった時は、僕たちも心の準備ができず、思いを共有できなかったですけど(笑)。(中野)耀司くんはすごいプロだなって思います。お客さんを盛り上げる見せ方というのを知っていて、ショー向きだなって思いました。

 つねっち(唐川常人)はふだん、もの静かなんですけど、本番でマイクを持たせたら、何かをやってくれるところがあって。彼のスケートはもとから上手だと思っていて、一緒に練習すればするほど、うまくなる気がします。身長や体格も似ているし、滑り方も近く、今回もふたりのコラボで滑りました。偶然の重なりなんですけど、つねっちとならできるんじゃないかって。実際、一番手のかからないナンバーでした。

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ーーかなりハイテンションなショーで、ノンストップという感じでした。一番、体力的にきつかったパートはどこでした?

 ソロの『ブエノスアイレス午前零時』を演じたあとの『Narco』、あれはやばかったですね。『Narco』は男子3人とのコラボナンバーで、あらためて映像を見てわかったんですけど、僕だけ全力、130%でやっている! って(笑)。なんできついのかなって思っていましたが、ようやくわかりました。「みんな足りない、まだやれるだろ!」って感じです(笑)。

ーーフラメンコの衣装をまとった本田真凜さんが、かつて宇野さんが滑ったスパニッシュギター曲の『天国への階段』を艶っぽく滑る姿も印象的でした。フィギュアスケートはこうした美しさ、華やかさ、何より物語を伝えるのが本質なんじゃないかとも。

 マジでわかります! (本田)真凜は僕にないものを持っているというか、流れている音楽を自分なりに表現することができるんですよ。真凜の演技は、曲本来の物語を自分が登場人物になって演技しているよう。時には、それほどストーリーがない曲であっても、そのストーリーを垣間見せるというか。そこは自分に足りなくて、会得しないといけないものかなって思います。やっぱり、ステファンとかはそこも最初からうまいのですが......。

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