坂本花織は「らしさ」を発揮。紀平梨花との差を冷静に分析している (4ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 能登 直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

「離れてないとは考えられないですね。もし自分がマックスの演技をしたとしても、やはり4回転を跳んだ梨花ちゃんのほうが得点は高かったと思う。大会によって得点の基準は変わってくるので......。今回を考えれば4回転もトリプルアクセルも飛んだ梨花ちゃんが上かなと思いました」

 冷静な表情で話す坂本は、今後の4回転やトリプルアクセルへの挑戦の可能性を聞かれると、堅実な考えを口にした。

「今以上を狙うには4回転は必要になってくると思うけれど、そればかりを考えてしまうと去年のように自分を見失ったまま、気持ちだけが先走ってしまう状態になると思う。今は現状を保ちつつ、プラスアルファで4回転の練習ができたらいいと思います」

 まずは自分のベースをしっかり固め、それを強固なものにしてから次を目指そうという思いだ。4回転に挑むための足元固めも、現在のジャンプ構成で合計を230点台に乗せれば、ほぼ実現したといえるだろう。次の段階へ向け、坂本は着実に進化している。

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