羽生結弦がタラソワ氏から贈られたプログラムで披露した成長 (2ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 能登直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

無料会員限定記事

2016ー17シーズン、羽生は自身の表現力を一層高めた2016ー17シーズン、羽生は自身の表現力を一層高めた タラソワ氏から声をかけられた際は、「すごくビックリした」と話す羽生だが、すべてを包み込むスワンの雄大さを感じさせるプログラムだからこそ、自分の思いをしっかり乗せられると思ったという。

 ジャンプは、羽生の振り付けを担当するデヴィッド・ウィルソンも気に入っている大きく跳ぶシングルアクセルと、トリプルアクセルの2本。練習でもよく跳んでいるものだった。

「一つひとつの要素がとてもつながるプログラムだと思うので、ジャンプは技術的なものではなく、曲の抑揚などをしっかり表現できる一部にしたいと思っています」

 羽生はこのエキシビションプログラムをシーズン2戦目のスケートカナダで披露した。ショートプログラム(SP)はアップテンポのポップな『レッツ・ゴー・クレイジー』、フリーは自然を表現するゆるやかな『ホープ&レガシー』、そして、エキシビションは『ノッテ・ステラータ(ザ・スワン)』。世界観の異なる3つのプログラムを演じることで、自身の表現の世界を広げたいとの気持ちの表われだった。

 このシーズン、「観客とコネクトする」と口にしていた羽生は、11月のNHK杯で300点超えを果たして優勝した際にこう話していた。

「プログラムで300点を超えられたというより、やっとプログラム自体を楽しむ余裕が出てきて、お客さんとも少しずつコネクトできるようになってきました。崩れ落ちる形になってしまった前戦のスケートカナダとは違った感覚で滑ることができました。(会場が)日本だったからこそ、(観客とコネクトすることができた)ということもあるのかもしれないけれど、お客さんのほうへ目を向けたり、アピールしたりできたし、呼吸も一緒にできたと思う。観客席のない(練習拠点のカナダの)クリケットクラブで滑るのとはちょっと違って、難しい挑戦ですが、今までのスケート人生の中でも、少し成長できたなと思うシーズンでした」

全文記事を読むには

こちらの記事は、無料会員限定記事です。記事全文を読むには、無料会員登録よりメンズマガジン会員にご登録ください。登録は無料です。

無料会員についての詳細はこちら

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る