NHK杯で樋口新葉ら日本勢は「キム・ヨナの後継者」を上回れるか?

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 能登 直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

東日本選手権SP演技する樋口新葉。NHK杯の演技に注目が集まる東日本選手権SP演技する樋口新葉。NHK杯の演技に注目が集まる 今季のフィギュアスケートのグランプリ(GP)シリーズは、新型コロナウイルス感染症の蔓延により、各大会の出場選手を開催国の選手か、外国籍の場合は開催国で練習している選手のみに限定することになった。第2戦のスケートカナダと第4戦のフランス杯は中止になったが、第1戦のスケートアメリカと第3戦の中国杯、第5戦のロステレコム杯(ロシア)に続く最終戦のNHK杯が、11月27〜29日、大阪の東和薬品RACTABドームで開催される。

 女子は、スイスを拠点にしている紀平梨花と、カナダで練習している宮原知子は欠場。外国籍の選手は、濱田美栄コーチの下で練習しているユ・ヨン(韓国)が出場することになった。日本選手にとってはユ・ヨンが世界と戦うひとつの目安となる。

 16歳の彼女はシニアデビューした昨季、ショート・プログラム(SP)とフリーにトリプルアクセルを1本ずつ入れるジャンプ構成に挑戦。3回転ルッツ+3回転トーループなども質のいいジャンプを跳ぶ。SPのトリプルアクセルはスケートカナダで成功して78.22点をマーク。また、四大陸選手権は、SPではミスをしたものの、フリーでトリプルアクセルをしっかり決めて149.68点を出し、合計223.23点で紀平に次ぐ2位に入った。

 そのユ・ヨンに迫る期待を背負うのは、樋口新葉だ。今季は「フリーのトリプルアクセルを絶対に成功させる」と意気込んでいる。海外へ振り付け指導を受けに行くのが困難だったため、SP、フリーともに昨季のプログラムを持ち越している。それもあってプログラム全体の表現のブラッシュアップができていて、課題のトリプルアクセルの練習にも時間を割き、自信をつけてきている。

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