2020.01.06

紀平梨花vsロシア。コストルナヤ、シェルバコワ、トゥルソワにどう対抗?

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 能登 直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

全日本選手権で初優勝した紀平梨花 12月21日の全日本フィギュアスケート選手権のフリーの演技を終えた紀平梨花は、これからの世界との戦い、ロシア勢との戦いへ向けてこう話していた。

「4回転サルコウを入れた(構成の)フリーの練習はできていたので、その難易度を下げてしまったのは悔しい。これからはケガの影響で入れられてなかったルッツを絶対に戻したいという気持ちがあるので、ルッツを入れてもアクセルを崩さず。アクセルとルッツを入れても4回転サルコウを崩さないように。4回転サルコウを入れてもアクセルを崩さないように何度も練習をして、世界選手権では全部入ったプログラムでショート、フリーともにノーミスができるようにしたい」

 今季の紀平はシーズンイン直前に左足首を捻挫。その影響もあり、ショートプログラム(SP)では最後に入れていた3回転ルッツを3回転ループに変えたため、基礎点が1.1点低くなっていた。そしてフリーでは以前は3回転ルッツを2回入れていたが、今季は代わりに3回転フリップを1本増やし、最後に入れていた3回転サルコウをダブルアクセルからの3連続ジャンプに組み込み、最後のジャンプを3回転ループにしている。

 その構成で後半に入れている3回転フリップ+3回転トーループと3回転ループを3回転ルッツに変更すれば、基礎点は1.76点高くなる計算になる。さらに4回転サルコウを入れれば、3回転を最初に入れた時より基礎点は5.4点アップ。合計で7.11点高くなる。

 また、SPで3回転フリップ+3回転トーループを基礎点が1.1倍になる後半に持ってくれば、ルッツを後半に入れていた時に比べて基礎点は0.56点高くなる。今季序盤の演技構成よりSPでは1.46点、フリーも合わせると基礎点が8.57点高くなる構成を目指しているのだ。

 12月25日からのロシア選手権で、アンナ・シェルバコワとアリョーナ・コストルナヤが記録した261.87点と259.83点は驚異的だった。しかもシェルバコワは4回転フリップで着氷を乱し、0.94点減点されての得点だった。シェルバコワはグランプリ(GP)ファイナルよりミスの少ない滑りで、ファイナルより各要素のGOE(出来ばえ点)加点は高く、演技構成点もファイナルでは全項目が8点台だったのに対しロシア選手権ではすべて9点台になっている。

 一方、コストルナヤのSPは、難しいつなぎを駆使して高得点を狙うプログラムがさらに滑り込まれてきており、ジャンプも着氷後の流れの美しさが目を引く出来。GOE加点はジャッジのほぼすべてが4点と5点を付けたうえ、演技構成点は9点台中盤でファイナルより2.34点多い得点。全体的に国際大会の判定より高くなっていた。