2018.12.06

一騎打ち。羽生結弦不在のファイナルを制するのは宇野か?チェンか?

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi 能登直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

 ちなみに、今回の出場選手でそのふたりに続く得点を出しているのは、スケートカナダ2位で、羽生の欠場で繰り上がり出場を果たしたキーガン・メッシング(カナダ)で、265.17点になる。

 宇野とチェンが顔を合わせた5日の公式練習では、先にSPの曲かけをした宇野は最初の4回転フリップが低いジャンプになって転倒。次の4回転トーループも転倒する滑りになった。

「曲かけが終わってからの練習の中盤では調子が悪いのかなと自分でも思っていたけど、考えてみれば調子が悪いのはフリップだけで、トーループはコンビネーションを意識しすぎたからかなと思って。試合で失敗しているのと似た感じで失敗をしてしまった。ここまでは課題になっていた回転し過ぎを防ぐために、試合でも跳べている単発の4回転トーループを跳んで、それに3回転トーループを付けるという意識で練習してきたんです。でもフリップを失敗したことでそれを忘れてしまったので、4回転トーループも失敗してしまっただけかなと思います」(宇野)

 そう話す宇野はその後、4回転トーループ+3回転トーループもきれいに決めていた。また「このところ思うように上に上がらない」と悩んでいる4回転フリップについては、「いろいろ考えても仕方ないので、まっすぐ跳んで思い切り締める。そのふたつに集中して頑張りたいなと思います」と話し、最後には修正してきれいな回転のジャンプにしていた。

 さらに、フリーの最初に入れながらも回転不足が多かった4回転サルコウは、「最近はサルコウの方がフリップより確率がよくなってきて、回転不足もなく降りられるようになっている」と、余裕を持ったジャンプにして成功させていた。

「今回は、回りすぎが課題になっている4回転トーループの連続ジャンプは、ショートもフリーも単発の意気込みで跳ぼうと思っています。4回転フリップは調子は悪いけど、せっかく自分の武器と言えるところまで確率を上げてきていたので、だからこそちゃんと自分のものにしたいなと思っています」

 こう話す宇野は「ベストを尽くせば自ずと結果はついてくると思うので、まずは自分の最大限の演技をするだけです」と明日からの試合へ向けての意気込みを口にした。

 一方のチェンは、調子を上げてきているようだ。今回のエントリープランは、SPはフランス大会から行なっているようにトリプルアクセルの後に4回転フリップを跳んで、後半に4回転トーループ+3回転トーループを入れる構成。フリーはこれまでの2試合は4回転がトーループ2本を含めた2種類3本の構成を、前半に4回転フリップと4回転ルッツ、4回転トーループを入れて、後半に4回転トーループ+3回転トーループを入れる3種類4本にしてきた。