羽生結弦に迷いはなし。ロシア大会の目標は「クリーンに決める」 (2ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi 能登直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

 こう言って笑顔を見せた羽生は、ロステレコム杯は4回目の出場になる。昨年はフリーで4回転ルッツを成功させながらも、SPでトップに立っていたネイサン・チェン(アメリカ)を逆転できず2位にとどまった。だからこそ、今回は結果を出したいという思いもあって、フィンランド大会後に、「中1週間しかなくて急激に変えることはできないですが、ロシアで今回と同等かそれ以上の演技をしなければいけない」と話していたのだろう。

「フィンランドの演技を超えるために必要なのは、全部のジャンプをきれいに降りることだと思います。ショートはノーミスではなかったし、フリーも全部立ってはいましたがアンダーローテーションもあったし、感覚的にはステップアウトみたいなことにもなっていた。だから今回は、しっかりクリーンに降りることを目指したいです」

 納得できるクリーンなジャンプをそろえることができて初めて、演技としての完成度を高めることができる。それが羽生の持論でもある。前回のフィンランドでは、SPの後半こそ自分が思う演技ができたが、フリーは反省点の多いものだった。

 まずはジャンプをすべてクリーンに決め、演技の完成度を高める次のステージに上がりたい。それが今大会で羽生が目指すものだろう。

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