2018.11.06

連続表彰台でも坂本花織は不安顔。ファイナル出場権争いは日露で激戦に

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi 能登直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

 そんななか、「ショートが終わった後に振り付けのブノワ・リショー先生から連絡が来て、200%の力でクリーンな演技をやれば表彰台に戻れると言われ、中野先生からは『フリーはもう死ぬ気で頑張りなさい』と言われました」と語った坂本だが、フリーの演技を始めた時は緊張で全身がガクガクしているような状態だったという。

「最初の3回転フリップ+3回転トーループを降りた時に5%だけホッとして、後半のダブルアクセル+3回転トーループ+2回転トーループを降りた時には半分くらいホッとして、という感じです」

 スピンの入りを間違え、コレオシークエンスではきつくなってしまうところもあったが、「フリーはジャパンオープンのあと、ショートより練習をたくさんしてきたので、ちゃんとやれば完璧にできるなという自信があった」と言うように、ミスは序盤の3回転ルッツのエッジエラーだけに抑え、自己ベストにあと2点強の140.16点を獲得。合計を197.42点にして2位を確保できたかに見えた。

 だがSP4位だった昨季の世界ジュニア4位でシニアの世界選手権にも出場していたスタニスラワ・コンスタンティノワ(ロシア)が、自己ベストの135.01点を出し、合計を197.57点にして坂本を上回る結果に。結局、坂本は3位になってしまった。

 1試合の最高得点で、坂本は、スケートアメリカの宮原とフィンランドのザギトワに次ぐ3位の得点(213.90点)で、スケートカナダ優勝のエリザベータ・トクタミシェワ(ロシア)を10点以上引き離しているが、ファイナル進出を巡るポイント争いでは厳しい状況に追い込まれた。

 ファイナル進出へ向けたポイント争いは、これまでの3戦で優勝している宮原とトクタミシェワ、ザギトワが優位に立つ。次のNHK杯では宮原とトクタミシェワが出場するが、自己ベストを見れば宮原の優勝が順当で、トクタミシェワは3位以内に入ればともに進出が決まる。また得点能力という面では、ここが初戦で、得点で3位以内に入る力を持っている三原舞依と紀平梨花が、宮原とともに表彰台を獲得しても、トクタミシェワは4位に食い込めば坂本と同点でも1位があるため上位にランクされる。