フィギュア超絶マニアが、羽生結弦の金メダル演技を異常に細かく分析 (6ページ目)

  • 高山 真●文 text by Takayama Makoto  photo by JMPA/Noto Sunao

●ラストの要素、コンビネーションスピン。キャメルポジションにおける、肩から指先にかけての、非常に柔らかいラインと、ピアノの音と同調させた強いポーズのコントラスト。

「回転の力を得るために、腕に力を入れて回転軸の中心のほうへ絞る」必要がまったくないことが見て取れる。純粋に、音楽性のためのアームの動き......。

 オリンピックの歴史に残る、すさまじいばかりのショートプログラムでした。

 私は2017年12月の段階で、

「羽生結弦が平昌で素晴らしい演技を披露することを、露ほども疑っていない。何年にもわたって、常にこちらの予想を超えるものを見せ続けてきた羽生のことを、絶対的に信頼しているから」

 と書きました。羽生結弦は、その予想を、あの平昌の舞台で、何十倍、何百倍のスケールで超えてきてくれたのです。フィギュアスケートファンとして、これほどうれしいことがあるでしょうか。

 翌日のフリー。直前の6分間練習での羽生の様子から、「実はケガは治っていない」ということを感じた人は多かったと思います。それでも、あそこまでのことを成し遂げた羽生結弦。そのフリーのツボは、次回に書かせていただけたらと思います。

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