よくやったぞ、友野! 来季3枠キープの神がかり的演技に宇野も感謝 (3ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi能登直●撮影 photo by Noto Sunao

 あきらめることなく滑りきった宇野は、演技構成点では88.86点を獲得して合計を273.77点にし、最終滑走のネイサン・チェン(アメリカ)を残す時点までトップをキープした。

「2年前の世界選手権の時のような悔しい気持ちと悲しい気持ちがあった」という宇野は、演技終了直後には表情をゆがめて涙したようにも見えたが、「あれが汗なのか涙なのかは、見て判断してください」と笑みを浮かべた。

 最終滑走のチェンは、後半2本のジャンプの着氷がわずかに乱れただけで、4種類6本の4回転ジャンプを降りる見事な滑り。羽生結弦が昨年の世界選手権で出したフリーの歴代世界最高得点にあと3.74点まで迫る219.46点を出し、合計321.40点で完勝した。

 注目された、日本男子の来年の世界選手権出場「3枠」は、補欠からの繰り上がり出場となった友野一希の驚異的な活躍によってもたらされた。

初めての世界選手権で5位と大健闘の友野初めての世界選手権で5位と大健闘の友野「ショートは『フリーに進めるのかな』とか、『実力が足りないのかな』というような不安がいろいろあってガチガチに緊張したけど、80点台を出せたので、フリーは本当に思い切ってやるだけだった」という友野は、枠取りも意識することなくのびのびと滑った。

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