日本女子フィギュア、「おそロシア」の壁を実感も4年後へ光は見えた (3ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by JMPA/Noto Sunao

大舞台でも動じることなく滑りきった坂本花織大舞台でも動じることなく滑りきった坂本花織 そして、勢いそのままに五輪という大舞台で209点台に乗せたのは大殊勲だ。

「最終グループになってもメダルを獲るほどの力はないと思って意識はしていませんでしたが、片手の順位くらいには(入りたい)と思っていました。それは果たせなかったですが、最初に目標にしたひと桁順位は達成できたのでよかったです」

 そう話す坂本は、緊張したとはいえ彼女らしさを五輪の舞台で存分に出すノビノビとした演技を見せてくれた。

 その坂本は「自分に甘い性格を中野(園子)先生が知っていて、厳しく指導してくれたのでこの結果を出せたと思う。また五輪に出られるように4年間でしっかり経験を積み、次はショートもフリーもパーフェクトに滑って自己ベストを更新できるようにしたい」と4年後に意欲を見せる。

 宮原もまた、「今回は自分に勝つというよりも、自分を信じるということを意識して滑りました。今回を経験して、是非またこの舞台に戻ってきて、今度こそメダルを獲りたいという思いは強くなってきましたが、4年というのは長い......。自分の体や技術などをいろいろ考えながら、自分のスケートをしっかり磨いてがんばりたいです」と冷静に今後を見据えた。

 ともにこの大舞台を経験して沸き上がった思いは、「またここに出たい」ということ。五輪の舞台はどんなものだったのか、その貴重な経験を日本へ持ち帰り、再び切磋琢磨することで、日本女子のレベルも上がってくるはずだ。

メダルなしに終わった女子だが、初出場ながらも宮原が4位、坂本も6位という結果を残したことは、打倒・ロシアに向けて、一筋の光を見た気がした。

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