坂本花織、四大陸フィギュア初Vが平昌五輪でメダル獲得への追い風に (3ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi 坂本 清●撮影 photo by Sakamoto Kiyoshi

 そして、最終滑走の宮原知子は、最初の3回転ループを着実に決め、落ち着いて滑り出したかに見えたが、続く3回転ルッツからの連続ジャンプはセカンドの3回転トーループが回転不足に。さらに、後半に入っても3連続ジャンプの最初の3回転ルッツで回転不足を取られるミス。続く3回転サルコウでは「ちょっと軸が外側に外れてしまった」と転倒してしまう。結局、得点は135・28点で、合計207・02点。坂本と三原に次ぐ3位という結果に終わった。

 優勝した坂本が言う。

「去年は舞依ちゃんが優勝したので『連覇を狙っているだろうな』と思ったけど、私も秘かに優勝を狙っていました。舞依ちゃんはこの大会で優勝してから本当に伸びていったので、私もここで表彰台に乗れば今後伸びていけるかなと思って。ショートもフリーもけっこう取りこぼしがあったので、まだまだ伸びるところはたくさんあるなと、あらためて感じました」

 坂本は、五輪ではものすごく緊張するだろうと考え、そのなかでもしっかり演技をするためのシミュレーションという意味合いも持ってこの大会に臨んでいた。

「ショートもフリーも頑張ろうと思ってやったけど、けっこう脚もガクガクで、自分の納得いくジャンプはできなかった。それでも大きなミスはなかったので、そこはこの大会で得たものかなと思います。ジャンプの加点は自分にとってはけっこう得点の稼ぎどころだし絶対に譲れないと思っていたので、そこで点数が取れたのはよかった」

 実際、坂本の全要素のGOE加点は三原の11.03点を上回る13.39点と、着実に進化を遂げている。

 その坂本に対し、大会前に感じていた不安がそのまま出てしまった宮原は、記者会見で珍しく涙を見せた。

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