浅田真央の後継者へ。トリプルアクセル連発の紀平梨花に大きな将来性 (2ページ目)

  • 辛仁夏●文 text by Synn Yinha  能登直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

 12月21日に行なわれたショートプログラム(SP)で、紀平はジュニア大会では跳べなかったトリプルアクセルを力強く、クリーンに決めた。力みのない美しいジャンプで、出来栄え点(GOE)で1.43点の加点がつくほどだった。

 全日本ジュニア女王は「決められたのはすごく嬉しい。練習からよかったので緊張感はなかった」と会心のジャンプを振り返った。女子SPでのトリプルアクセル成功は、15年12月のGPファイナルで成功した浅田以来だという。

 SPでの成功で波に乗った紀平は、挑戦者として臨んだフリーでは単発と連続ジャンプでトリプルアクセルを跳び、計2本の大技を成功させた。1試合でSP1本、フリーで2本の計3本のトリプルアクセルを決めたのは、バンクーバー五輪でギネス記録をうち立てた浅田以来、2人目となる快挙だ。フリーの結果は141.29点の高得点を出して2位となり、合計208.03点で、SP5位から総合3位に食い込み、初めて全日本の表彰台に上った。

 トリプルアクセルジャンパーになった紀平はまだ10代半ばで、身体にはこれから大きな変化が出てくる。女子選手の多くは、いまは跳べている他の3回転ジャンプでさえ、思春期の成長時には崩れてしまう。それだけに、これからの身体的成長と技術のバランスをどうコントロールするかが、シニア転向後に世界のトップ選手として活躍できるかどうかのカギを握るはずだ。

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