跳べないジャンプに試合で挑む。宇野昌磨が平昌五輪で大爆発する予感 (3ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi  能登 直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

「4回転トーループは練習で9割くらいの確率で跳べています。跳べるからこそ(試合で)失敗しやすいというか、いろんなことができてしまうから失敗するのではないかと思います。そこが大きな課題です」

 こう話す宇野は、GPファイナルのフリーで、4回転トーループを失敗していたこともあって、4回転+2回転トーループのジャンプ構成を、練習で時々やっているダブルアクセル+4回転トーループに変更することを検討した。

「回転しすぎることがなくなって、基礎点は1.63点上がる」と考え、実際に今回の全日本でプログラムに組み込んだわけだが、その変更を決めたのは大会直前だったという。結果はどうあれ、このように五輪出場権がかかった全日本選手権であっても、ミスを恐れずに新たな挑戦ができることが、宇野昌磨というスケーターの強みでもある。

「今シーズンこれまでは、試合間隔が2週間ほどということが多くて、それでは少し短いかなと思っていました。次の試合まではそれより少し時間があると思うので、いかに練習量を多くして、いかに試合でその成果を出せるかに集中していきたいです。とりあえず、平昌五輪というより、一番近い試合で満足できる演技をしたい」

 全日本を連覇した後にこう語った宇野は、2018年1月22日からの四大陸選手権(台北)に出場予定だ。平昌五輪だけではなく出場する試合すべてで挑戦を続け、冒険をする。その姿勢はまったくブレていない。

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