跳べないジャンプに試合で挑む。宇野昌磨が平昌五輪で大爆発する予感

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi  能登 直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

 12月24日まで行なわれた全日本フィギュアスケート選手権。宇野昌磨は、羽生結弦不在の大会で連覇を遂げて平昌五輪代表の座を手にした。だが、試合後に彼の口から出てきたのは「悔しいという気持ちとともに、申し訳ないという気持ちでいっぱいです」という反省の言葉だった──。

「ここ数試合はみなさんの期待に応えられない演技ばかりしていて、満足いく演技からはほど遠かったですし、自分が期待していたものとはかなり違いました」

全日本選手権で連覇を達成した宇野昌磨全日本選手権で連覇を達成した宇野昌磨

 ショートプログラム(SP)1位で臨んだ24日のフリーは、滑り出しは順調だった。冒頭の4回転ループをキッチリ決めると、次のトリプルアクセルはGOE(出来ばえ点)で満点の3点をもらう完璧なジャンプ。その後、3回転ループもきれいに決めて、2種類のスピンとステップはレベル4を獲得。そのままいけば圧勝する勢いだった。

 しかし、後半最初の4回転フリップが回転不足になって転倒すると、次の4回転トーループは両足着氷になってしまうミス。さらに、試合で初めて挑戦したダブルアクセル+4回転トーループのセカンドは2回転になり、トリプルアクセルからの3連続ジャンプの最後のフリップも3回転が1回転になってしまった。結局、フリーの得点は186.47点。合計でも283.30点と、圧倒的な強さを見せつけるまでには至らなかった。

「(後半は)体力がなかったですね。ダブルアクセル+4回転トーループは最初から体力的に跳べないなと思っていました。単発なら跳べたと思いますけど、それでも体力不足という現実はあります。練習不足だったと思います」

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