帰ってきた「ミス・パーフェクト」。宮原知子は全日本にピタリと照準

  • 辛仁夏●構成 text by Synn Yinha photo by AP/AFLO

 グランプリ(GP)シリーズ最終戦のスケートアメリカで、宮原知子がショートプログラム(SP)、フリーともに1位となり、合計214.03点の完全優勝を成し遂げた。2015年のNHK杯以来、2季ぶりのGP2勝目となった。この結果により、GPファイナル進出の上位6人目に樋口新葉が滑り込み、宮原自身も補欠の1番手に躍り出た。もし、ファイナル進出者の中で欠場者が出れば、宮原が繰り上げ出場となる。

スケートアメリカで優勝した宮原知子と2位となった坂本花織スケートアメリカで優勝した宮原知子と2位となった坂本花織 今回のスケートアメリカは、GPファイナル進出を目指していたスケートカナダ3位のアシュリー・ワグナー(アメリカ)とNHK杯3位のポリーナ・スルツカヤ(ロシア)の2人に加え、シニアデビューでこれがGP2戦目となる坂本花織との優勝争いだった。

 昨季までGPファイナルで2年連続2位となるなど実績のある宮原にとっては、本来、それほどの強敵揃いとは言えないだろう。だが、昨季後半を左足股関節痛で棒に振り、そこからの復活を模索している状態だけに、決して簡単な戦いではなかった。

 2週前のNHK杯は、ケガからの復帰初戦であり、今季の初陣だったこともあり、ジャンプで細かいミスを重ね、スピンやステップでもレベルの取りこぼしがあった。順位も5位といまひとつだったが、演技自体は満足のいく内容で、自身は手応えを掴んでいた。

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