羽生結弦を追う新旧ライバルも充実。世界選手権は300点超バトルに (3ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 能登直●撮影 photo by Noto Sunao

 さらに、四大陸のSPで自身初の100点台となる100.28点を出した、19歳の宇野昌磨にも注目だ。同大会のフリーで、初めてプログラムに入れた4回転ループを成功させたほか、フリップ、トーループも4回転を跳んでいる。トリプルアクセルを2回転倒したことで得点は187.77点にとどまったが、「トリプルアクセルはそれほど難しいジャンプだとは思っていませんが、気を抜くと失敗するジャンプ。3回転ループのような気構えでいってしまったせいで失敗した」と冷静な分析ができていた。

 宇野は、4回転が2種類3回だったGPファイナルのフリーで195 .69点を出した。合計303.68点で優勝した今年3月のプランタン杯でも、 フリー冒頭で4回転ループを転倒しながら199. 37点を獲得するなど、200点超えへ準備はできている。年が明けてから、四大陸フィギュア、冬季アジア大会と連戦をこなし、 その2週後にはプランタン杯に出場して実戦経験を積んでいるのは、4回転ループを入れた構成に早く慣れるためだろう。昨季最終戦のチームチャレンジカップで4回転フリップに成功して以来、一気に力をつけているだけに、宇野にかかる期待は大きい。

 一方で、ここまで挙げた3選手の「先輩たち」も、虎視眈々と優勝を狙っている。昨年まで世界選手権を連覇している、25歳のハビエル・フェルナンデス(スペイン)がそのひとり。今季はGPファイナルこそ4位だったものの、それ以外ではGPシリーズを2勝、1月のヨーロッパ選手権で5連覇を達成するなど安定した成績を残している。ISU公認大会ではヨーロッパ選手権の294.84点がシーズンベストだが、SPを自己最高の104.25点まで伸ばすなど上り調子。世界選手権で本領発揮となれば、大会3連覇が見えてくる。

3 / 4

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る