4回転フリップ成功の宇野昌磨。過酷な特訓で「次のステップ」も狙う (4ページ目)

  • 辛仁夏●文 text by Synn YinhaPhoto by Nakamura Hiroyuki/PICSPORT

 今季のフリー『惑星~スターウォーズ』は、曲調に大きな変化がない4つのパートからなり、より表現力が問われるプログラムになっている。宇宙をイメージしたテーマも壮大で「平和と愛」。メリハリのある演技を出せるかどうかが腕の見せどころになる。宮原自身は「まだ滑り込んでいない感じがある」と、グランプリ(GP)大会初戦のスケートカナダまで、表現力に力を入れていくという。

「フリーを試合で滑るのは、この大会で2度目ですが、自分の滑りはできたので、今季のいいスタートは切れました。まだ緊張すると練習ほどいい演技ができていないので、緊張したときでもジャンプをしっかり跳んで、表現面で自分の思いが伝わるような大きな演技ができるような練習をしていきたいです」

 今季の目標は「進化」すること。ショートプログラム(SP)でもフリーでも新しい世界観を出していきたいと意欲を見せていた。

 その宮原を脅かす存在として注目されるのが、今季シニアデビューを果たす樋口新葉である。3週間前にイタリアで行なわれたロンバルディア杯で初優勝を飾って、初のシニアシーズンを幸先よくスタートさせた15歳。だが、昨季の世界選手権トップ5が勢ぞろいしたジャパンオープンでは、少々気後れもあったようで、本来の実力を発揮できなかった。得点源のジャンプで2つのミスを出し、演技構成点では最下位の59.82点。116.99点で5位の成績に終わった。

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