「ビビらずに跳べば大丈夫」。本田真凜、世界ジュニア優勝の勝負度胸 (2ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi 能登直●撮影 photo by Noto Sunao

「デブレツェンに入ってからどんどん調子が上がっていて、今朝の公式練習もバッチリだったので、15分くらいやっただけで早く上がりました。ジャンプはビビらずに跳べば大丈夫と思っていたので、ジャンプ以外のことを意識して滑りました」

 こう話す本田はリンクへ上がっても「まったく緊張しなかった」という。全日本ジュニア選手権では優勝を狙って硬くなってしまったが、今回は「優勝なんてできるわけない」と思い、自分で自分にプレッシャーをかけることがなかったからだ。

「田村岳斗コーチからは『いつも笑顔で滑ろう』と言われているので、今回も直前にそう話していました。ショートの時はそれをしっかり守って笑顔で演技して、ジャッジが高く評価してくれたので、それで楽しくてノってしまったようです」と濱田美栄コーチは言う。

 本田は、フリーでも笑顔で滑り出すと、丁寧な演技で前半の3回転ルッツやサルコウ+トーループの3回転連続ジャンプをきれいに決める。その後のスピンとステップこそレベル3にはなったが、演技後半に入ってからの要素を完璧に決めて自己最高の126・87点を獲得。合計も自己最高の192・98点にして演技を終えた。
 
 SP、フリーともにノーミスを達成した本田は、フリー前半のスピンとステップでレベル4を獲得できなかったことについて、「完璧だったら次の目標がなくなってしまうから、このくらいでよかったです。それが悔しいから来年も世界ジュニアに戻ってきて、目標は優勝ですとしっかり言えるようにしたい」と、早くも来年の世界ジュニアを見据えている。

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