羽生結弦、苦難の今シーズン総括。
「自分のせいだと思っています」
世界フィギュアスケート国別対抗戦、羽生結弦はショートプログラム(SP)に続き、フリーでも192・31点でトップとなり、日本の3位表彰台に大きく貢献した(優勝はアメリカ。2位にロシア)。
※世界ランキング上位6カ国による団体戦。日本からは、羽生結弦、無良崇人、宮原知子、村上佳菜子、古賀亜美&フランシス ブードロ・オデ(ペア)、キャシー・リード&クリス・リード(アイスダンス)が出場。そのほかの出場国は、ロシア、アメリカ、カナダ、フランス、中国。今回は東京で開催。
SPに続き、フリーでも1位の得点を叩き出した羽生 大会最終日19日のエキシビションの前には、「今シーズンは完璧な演技がひとつもなかったのが悔しい」と話していた羽生。完璧な演技を実現できる今シーズン最後の場だったフリーで、羽生は冒頭の4回転サルコウを練習と同じようにきれいに決めたが、次の4回転トーループが3回転になってしまった。
「世界選手権の後もしっかり練習をしていましたけど、曲をかけた通しの練習では両方が揃わないことがけっこうありました。4回転サルコウを降りたあと、疲労感があるというか......。4回転トーループを続けて2本だったら、同じことをやればいいと思っていますけど、サルコウとトーループはまったく違うものなので、そこの(感覚の)ズレがけっこうあります。そういう難しさをあらためて感じました」
羽生は、トーループが3回転になった後、ややスピードを抑えたように見えた。予定していたジャンプを失敗すると、「パンクになって回転数が減ったジャンプは、変な力の入り方になってしまうため、成功した時より疲れる」(羽生)という影響もあったのだろう。
そのため、ミスをした直後、すぐに自分の演技を確実にやり遂げようと意識を切り替え、その結果、フリーでトップの得点を記録した。それでも羽生は、演技終了後はSPの後と同じように「悔しい」という言葉を口にした。
1 / 3