五輪プレシーズン、浅田真央の次のステップは? (2ページ目)

  • 辛仁夏●文 text by Synn Yinha
  • 能登直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

 細かい部分を見ると、最後の3連続ジャンプで回転不足を取られ、ルッツジャンプでもマイナス評価がつくなど課題は残った。ただシーズンはまだ始まったばかりで心配するほどのことではない。今後は体力強化でさらなるスピードアップを図ることが、勝負のカギを握りそうだ。また、浅田の代名詞で、これまで「最大の武器」とこだわってきたトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)にも注目が集まったが、この初戦では挑まなかった。

「今季はいつもよりもトリプルアクセルを半分以下の練習量に抑えています。今後どうしようかと思っていますが、シーズン後半には跳べたらいいなと思っています」と、完成度が上がるまでは封印。これまで強みと言えた大技がなくても、今季のトップ争いを戦える自信があるからだろう。

 ソチ五輪までの1年半は、10代半ばの若い選手たちとの熾烈な女王争いが予想される。22歳の経験豊富な浅田にとってはSP(ショートプログラム)とフリーを滑り切るスタミナが必須課題になる。自身のスケート向上に重点を置いている浅田が、自らが最も輝いていた時のスケートにどのようなステップを踏んで戻していくのか。

「永遠のライバル」キム・ヨナが本格復帰し、若手ロシア勢の台頭が著しい今季は、ソチ五輪を占う意味でも目が離せないシーズンとなる。

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