ウナギ・サヤカは「東京ドーム自主興行」を目指して 人生賭けて応援してくれるファンのためなら「私はなんだってやる」

  • 尾崎ムギ子●取材・文 text by Ozaki Mugiko

■『今こそ女子プロレス!』vol.22

ウナギ・サヤカ インタビュー  後編

(前編:スターダム解雇とその後 全日本プロレスへの参戦、長与千種の指導などで大飛躍>>)

 2022年10月にスターダムを解雇され、フリーになったウナギ・サヤカ。多団体に乗り込みまくり、2023年の夏にはZERO1真夏のリーグ戦「火祭り」に、女子として初出場を果たした。

「スターダムに戻るために活躍したい」という思いはなくなり、彼女のプロレス人生は、自身の想像を遥かに超える壮大なものになったのである。その集大成として、今年1月7日、後楽園ホールで初の自主興行「ウナギ・サヤカ興行 supported by AJPW 『殿はご乱心〜1番金星〜』」を開催した。

東京ドームでの自主興行を目指すウナギ・サヤカ photo by 安井信介東京ドームでの自主興行を目指すウナギ・サヤカ photo by 安井信介この記事に関連する写真を見る

【後楽園ホールは超満員札止め。次の狙いは東京ドーム】

 第1試合は、彩羽匠とのシングルマッチ。彩羽のハイキックを受けて意識が飛んだ。しかしメインイベントにも出場を控えている。半ば無意識の状態で、ウナギは試合を続けた。結果は負けてしまったが、試合を続けたことだけでも見事と言わざるを得ない。

 この大会に、ウナギは全財産407万7000円をつぎ込んだ。しかし超豪華なカードが並んだのは、ギャランティだけの問題ではない。「ウナギ・サヤカのためなら」と、尾崎魔弓、諏訪魔、葛西純、ディック東郷......大物レスラーたちが集結したのだ。

 メインイベントは、ウナギ・サヤカ&小波vs.鈴木みのる&田中将斗。男女が組む通常のミックスドマッチとは違い、"女vs.男"という異例のカードである。

「小波さんが『出たい』と直訴してきてくれて、だったらこれしかないなと。みのるとたこ焼きマン(ウナギは田中のことをそう呼ぶ)は、女とか男とか関係なくボッコボコにしてくるんですよ。レスラーに対してちゃんと愛のある2人なので、バラけさせるよりも2人と試合をしたいなと思いました」

 鈴木と田中は、ウナギと小波を容赦なくボコボコにした。手加減しなかったのは、2人へのリスペクトがあるからだ。男が女を殴っても悲壮感がないのは、そこに愛があるからだ。相手への愛とリスペクトがあるから、プロレスは成立するし、面白い。

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【写真】ウナギ・サヤカ フォトギャラリー デスマッチで顔面が真っ赤に染まったカットも

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