我闘雲舞は「プロレスに疲れた人に観に来てほしい」さくらえみが語る後楽園ホール大会と、対戦相手・駿河メイへの思い

  • 尾崎ムギ子●取材・文 text by Ozaki Mugiko

■『今こそ女子プロレス!』vol.20

さくらえみ インタビュー 後編

(前編:後楽園ホール開催目前! 我闘雲舞の代表、さくらえみが振り返るタイでの旗揚げから現在>>)

 8月31日、プロレスリング我闘雲舞(ガトームーブ)が8年ぶりに後楽園ホール大会を開催する。普段、最大収容人数60人の"世界で一番小さなプロレス会場"で試合をしている彼女たちにとって、客席数1,400の"格闘技の聖地"は、「いつか」と夢見ていた場所。並々ならぬ思いで、彼女たちは決戦の時を迎えようとしている。代表のさくらえみインタビュー後編では、後楽園ホール大会の見どころに迫る。

「我闘雲舞」の後楽園ホール大会について語ったさくらえみ photo by 我闘雲舞「我闘雲舞」の後楽園ホール大会について語ったさくらえみ photo by 我闘雲舞この記事に関連する写真を見る

■スローガンは「小さいまま大きくなる」

――8年ぶりに後楽園ホール大会を開催しようと思ったきっかけは?

さくらえみ(以下、さくら):我闘雲舞の旗揚げから12年、チョコプロ(市ヶ谷で開催している「チョコレートプロレス」。YouTubeで配信している)を約400回やるなかで、アーカイブを置くようになったんです。それで興味を持った方が、「どの大会から見たらいいの?」となった時に、後楽園だったら行きやすいし、ローカルルールとかわからないものが少なそう。普遍的にある価値に、こちらから入っていくことが大事なのかなと思って、このメンバーで後楽園に行こうと思いました。

――8年前の我闘雲舞後楽園ホール大会を経験しているのは、所属選手では帯広さやか選手とさくらさんだけですね。

さくら:私と帯広も8年前のことは覚えてないので、全部手探りです。東京女子プロレスさんや、みちのくプロレスさんに参戦した時に、「こうなってるんだな」といろいろ学ばせていただきました。何時までに何をやる必要があるか、控室が何個あるのか、テーブルが何個あるのか、お客さんの導線、チケットの引き換えの場所など、そういった事務的なことですね。

――帯広選手はX(旧Twitter)で、「後楽園という言葉に臆病になる」とポストしていました。

さくら:私たちは普段、キャパ40人の会場でやっていて、しかも40人のうちの35人くらいが同じ人で回っていますからね。お客さんと"共犯意識"を持ちながらショーをやっている感じなので、それが通用しない場所でやるのは、やっぱり怖さがあるんだと思います。

――8年間、後楽園ホールで開催しなかったのはなぜですか?

さくら:やる体制じゃなかったというのもありますし、自信もなかった。でも、「今は必要ない」と思っていたものが、「今やらなきゃいけない」になった感じです。団体を大きくするためにやらなくちゃいけないことでした。

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