「伊調馨二世を育ててもつまらない」。伊調馨がコーチ兼選手として思うこと (4ページ目)

  • 宮崎俊哉●取材・文 text by Miyazaki Toshiya
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

森川美和(左)と伊調馨(右)のツーショット森川美和(左)と伊調馨(右)のツーショットこの記事に関連する写真を見る 合宿では、選手から試合前の気持ちの作り方やスパーリングで気をつけるべき点などを質問されたので、それらを説明しました。今後の活動については未定ですが、選手との時間を大事にして、一緒に世界を目指していければいいなと思っています」

---- 最後に、コーチとして将来「伊調馨二世」を育てることができそうですか?

「それは無理でしょう、赤ん坊の時から見ないと(笑)。なにより、それでは私がつまらない。私と同じ選手を作っても、私のレスリングの幅は広がりませんから。

 だから、私はまだまだこれからもレスリングを学び、そして追及していきます。半分はコーチ、半分は試合に出ない選手、という感じで(笑)」

【profile】
伊調馨(いちょう・かおり)
1984年6月13日生まれ、青森県八戸市出身。中京女子大学(現・至学館大学)卒。ALSOK所属。2004年アテネ、2008年北京、2012年ロンドン、2016年リオデジャネイロで金メダルを獲得し、女子個人として史上初の五輪4連覇を達成する。世界選手権10回優勝。2016年10月、日本政府から国民栄誉賞を授与される。東京五輪への出場は逃したが、2021年の同大会ではメダルセレモニーでプレゼンターを務め、東京パラリンピック開会式には日本国旗を運ぶベアラーとして参加した。

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