井岡一翔がアメリカで復帰。4階級制覇へ現地メディアの予想は? (2ページ目)

  • 杉浦大介●文 text by Sugiura Daisuke
  • photo by Kyodo News

Q1 ボクサーとしての井岡の印象は?

ロールド「井岡には最高級のスピードがあるわけではないし、驚異的なハードパンチャーというわけでもない。井上尚弥(大橋ジム)ほどダイナミックなボクサーでもない。ただ、井岡は知的で経験豊富な選手であり、基本に忠実でパンチをまとめるのがうまい。ピンチを迎えてもパニックを起こさないのも長所だ」

サンガリア「井岡の実力は確かだが、2014年には誰が戦っても苦戦するだろうアムナット・ルエンロン(タイ)と対戦する不運を経験した(その試合は井岡が判定負け)。また、これまでの微妙な対戦者選びのおかげで、能力を十分に証明することができなかった。ただ、ここでアローヨを下すことができたら、群雄割拠のスーパーフライ級の中でも非常に興味深い"新加入選手"として浮上するだろう」

オッペンハイム「フライ級時代の井岡は反射神経のよさ、巧みなボディ打ち、狡猾(こうかつ)なディフェンス、ピボットのうまさなど、多くの長所を備えたボクサーだった。だが、昨年末に一度引退を表明する直前には、やや動きが鈍り、つけ入るスキがある選手になっているように見えた。名のある選手との対戦も数えるほどで、そのうちの1戦(ルエンロン戦)には敗れているため、彼のことを"グレート"とは呼び難い。22勝という戦績も豊富とは言い難い」

ナム「井岡は興味深いキャリアを過ごしてきた。ファン・カルロス・レベコ(アルゼンチン)や全盛期の八重樫東(大橋ジム)相手に挙げた勝利は、彼が注目に値すべきタレントだということを示していて、日本の期待の星だった時期もある。しかし、ルエンロン戦の敗北によってその勢いは失われ、限界を示したとも言える。ともあれ、井岡の復帰はうれしいニュースであり、彼にはまだ伸びしろがあると考えている。幸いにして、スーパーフライ級には魅力的な選手がたくさんいる。井岡には謎めいた部分が残っているが、近いうちに多くの疑問に答えが出されるはずだ」

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