【国際プロレス伝】ラッシャー木村、「金網デスマッチの鬼」と呼ばれた男 (6ページ目)

  • 宮崎俊哉●取材・文 text by Miyazaki Toshiya
  • photo by Nikkan sports/AFLO

 女房はそのとき、『怖い顔をした若者がのぞいていたからドキッとした』けど、すぐにお馴染みの木村さんが顔を出したから店に入れてくれました。カウンターのなかで、真っ白な割烹着姿でテキパキ働きく看板娘に"ひと目惚れ"ですよ。ビビッときたねぇ。

 それからはもう、先輩たちには『木村さんの見舞いに行ってきま~す』なんて言って道場を出て、彼女の店にまっしぐら。木村さんのことなんか、ほったらかしです。銀座線で渋谷から田原町まで毎晩通いました。それで付き合うようになったので、木村さんは僕たちの恋のキューピッド、恩人です。あと、オックス・ベーカーもね。元はといえば、あの男が木村さんの骨を折ってくれたからなんだから。"オックス"だなんて、牛みたいな名前でゴツくて強かったけど」


(つづく)
【連載】アニマル浜口が語る「国際プロレスとはなんだ?」

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