快挙ならずも「アイツは化け物」と呼ばれる柔道・飯田健太郎のスター性 (3ページ目)

  • 柳川悠二●文 text by Yanagawa Yuji
  • photo by Yutaka/AFLO SPORT

 昨年の講道館杯で飯田に敗れ、引退を決意することとなった北京五輪81キロ級代表の小野卓志(現・筑波大柔道部監督)は、1年前と比較して「大人の組み手ができるようになった」と話し、飯田には「スター性しか感じない」と絶賛する。

 そして来年から飯田を指導する国士舘大学監督であり、全日本では重量級のコーチを務める鈴木桂治も「ウルフ同様、大きな期待が持てる選手。大きく育てたい」と評価する。

 飯田はこれからの課題を「筋力」だと話す。

「海外の選手が相手だと、ウルフ選手との試合のように、力負けして、自分の形で柔道をすることができないと思う。スタミナも強化して、最後までしぶとくいけるように。スタミナさえ切れさせなければ、後半に入って倒せると思うので」

 飯田は100キロ級の選手でありながら、普段から94キロ前後の体重しかない。「90キロ級で世界を目指す方がいいのではないか」と進言する柔道関係者もいるが、国士舘の関係者はこれからさらに体が大きくなっていくことを見据えて、あえて100キロ級に挑ませている。

 飯田は言う。

「まだまだ軽い。だけど、軽い分、自分には伸びしろがあると思う。これからいっぱい食べて、ウエイトトレーニングもいっぱいやって、体を大きくしたい。太らない体質なんですけど、普段は101キロ、102キロの体重をキープして、試合前にちょっと減量して試合に出るような形になれば、自然と力もついてくると思います」

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