吉田沙保里、4連覇ならず。「時代」は妹分たちへと引き継がれる (5ページ目)

  • 宮崎俊哉●取材・文 text by Miyazaki Toshiya
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

五輪初出場で63キロ級を制し、満面の笑みで喜ぶ川井梨紗子五輪初出場で63キロ級を制し、満面の笑みで喜ぶ川井梨紗子 大先輩の吉田沙保里が敗れ、日本人だけでなく、世界中から集まった観客が騒然とするなかで行なわれた63キロ級・決勝戦。21歳の新鋭は、マリア・ママシュク(ベラルーシ)相手に両足タックルや片足タックルで攻め込み、バックを奪って6点を獲得する。一方、持ち前の反応のよさで、敵に足を触らせることすらない完璧なディフェンスも披露。前日の登坂、伊調、土性から受け継いだ「最後まで攻め続ける」意志を発揮し、初のオリンピックで金メダルを獲得した。

「表彰台からの景色はとっても不思議。何度も見たい景色でした」と、金メダルを手にした川井は笑顔で語る。1993年生まれの登坂絵莉、そして1994年生まれの土性沙羅と川井梨紗子――。オリンピック初出場・初優勝を遂げた彼女たちの飛躍に、日本レスリング女子の新たな幕開けを感じた。

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