ジョシュ・バーネット「日本の総合格闘技はまた上り調子になっている」 (5ページ目)

  • 稲垣收●文 text by Inagaki Shu
  • 保高幸子●撮影 photo by Hotaka Sachiko

――先日、モハメド・アリが亡くなりましたが、アリのことは好きでしたか?

「大好きだよ。ボクシング・スタイルも好きだし、70年代に彼がアントニオ猪木と戦ってプロレスに愛情を示したことも素晴らしい。アリvs猪木戦についていえば、猪木はあの試合で、投げも関節技も上半身への蹴りも禁じられ、ほとんど技が使えなかった。その状態でああいうふうに(マットに自ら寝てアリの脚を蹴る)戦ったのは賢いと思う。非常に限定された条件での試合だった。でもその中で猪木は非常に創意工夫に満ちた戦いを見せた。とても賢いよ」

――ジョシュさんはアメリカでの新日本プロレス中継の解説者もやっているとのことですが、元新日本プロレスの中邑真輔がWWEに移籍しましたよね?

「ああ、(WWEのファーム団体)NXTにね。それに関して僕はアメリカのメディアでも話をしたよ。マウロ・ラナーロ(Mauro Ranallo)と僕が一緒に実況をした番組でね。マウロは、アメリカでPRIDEの実況をしてたことで有名だ。そのマウロと僕で新日の実況をやってたんだけど、全米で最高のプロレス実況だって言われてたんだ。去年末の『レスリング・オブザーバー』誌の投票で、マウロはプロレス実況ナンバー1に選ばれたんだ。僕は3位だった。ふたりで最高のプロレス実況コンビだったのさ。

この新日本プロレスの番組はAXS(アクセス)という局でやってたんだけど、この局の一番人気の番組だった。それでWWEがマウロを引き抜いて(今はスマックダウンの実況)、僕たちが新日本レスリングをアメリカで人気にした。そしたら、WWEはカール・アンダーソン、ドク・ギャローズ、中邑、AJスタイルズなど、新日のトップ選手何人かを引き抜いたんだ。彼らが大きなチャンスを掴むことができたんだから、僕も嬉しいよ。新しいファンと出会い、キャリアにおいて新たな旅をするわけだからね。素晴らしいことだと思う」

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