【プロレス】新日本プロレス戦略発表会にみた
40年目の「原点回帰」
発表会に登場したトップレスラーたち。左から永田裕志、真壁刀義、棚橋弘至、 天山広吉、小島聡「最近、プロレスが流行り始めてるんじゃない? 乗り遅れたらヤバイよね? そう思ってもらえるような、世間に影響を与えるプロレスリング・カンパニーになるべく頑張っていきます!」
2月29日、東京・秋葉原UDXシアターで行なわれた「新日本プロレス戦略発表会2012」において、同団体の新オーナーに就任したブシロードの木谷高明社長は高らかにそう宣言した。
今年、創立40周年を迎える新日本プロレスのオーナー企業が、ユークスからブシロードに交代したのは1月31日のことだった。ブシロードは2007年に創業、カードゲームの販売を中心に事業を拡大し、昨年は約65億円を売り上げた成長著しい企業である。新日本のオーナーに就任する以前から、夏のビッグイベント「G1クライマックス」の冠スポンサーを務めたり、「ブシロードレスリング」なる興行を主催するなど、プロレス界との関わりは深かった。木谷社長自身、少年時代からのマニアである。
そして、プロレスファンの興味は、このオーナー交代劇によって新日本のリング上がどのように変化していくかにあっただろう。
発表会には、木谷社長、菅林直樹新日本プロレス社長のほか、棚橋弘至、永田裕志、真壁刀義らトップレスラーたちが登壇した。ここで明かされた主な戦略は次の2点だ。
新日本の新オーナーに就任したブシロードの木谷高明社長(1)メディア戦略の強化
・ブシロードの商品のCMにおける、新日本所属レスラーの起用
・BS朝日で、ここ1~2年の試合を振り返る60分番組『ワールドプロレスリング・リターンズ』の放送開始
・ラジオ日本で新番組「ラジオ新日本プロレス(仮)」の放送開始など
(2)コンテンツを活用した二次収入の強化
・トレーディングカードゲーム「キング・オブ・プロレスリング」発売
・レスラーのフィギュア発売など
このように、発表されたのは主に営業面であり、リング上の話題といえば、第64代横綱曙の参戦と「日本人vs外国人」の構図を打ち出した「ワールドリーグ戦」の開催というもので、正直驚くべき発表はなかったといえる。
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