人気ロックバンドからゲームYouTuberに変身。動画100万再生超えのたいぽんが語る自身と「FIFA」の魅力 (3ページ目)

  • ハル飯田●文 text by Haru Iida

「僕は2010年からシリーズをプレーしていますけど、毎年これだけ進化し続けているサッカーゲームって『FIFA』しかないと思うんです。ずっと『なんで日本のサッカー好きな人の間で流行らないんだろう』と感じていて、その思いが募って今の活動になっています」

 仕事としてやっている以上は再生回数やチャンネル登録者数といった数字は気になるが、それ以上に「FIFAはもっと人気になっていいはずだ」と、もどかしい気持ちが動画制作へのモチベーションになっていた。初心者向けの情報や解説動画にも力を入れると、Twitterでゲーム内容についての質問が送られてくるようになったが、それも「俺が返信しないせいで楽しめなかったらもったいない」と、すべてに返事をし続けた。

 世界中で人気を獲得する『FIFA』は国内でも徐々にユーザー数を伸ばし、それに呼応してたいぽんの名前と、深いFIFA愛は広く知られるようになっていく。遂にはEA SPORTS側から日本コミュニティを盛り上げる「キャプテン」の役割に任命される。ファンは「たいぽんさんしかいないと思っていた!」と自分のことのように喜んでくれた。

「YouTuberの活動は辛いことも多くて何度も辞めようと思いましたけど、応援してくれるコメントに励まされました。僕は人生で大事にしているのが『楽しむこと』なんです。見ている人も一緒に楽しんでほしくて、自分が楽しんでいることが伝わっていたらうれしいです」

 自らを「しゃべりもうまくないですし、プレー自体もそんなにうまいほうじゃない」と分析するが、『FIFA』の魅力を伝えることには「自信があります」と笑顔をのぞかせる。

 最新作「FIFA 22」の発売記念番組では元日本代表の前園真聖、佐藤寿人らと一緒にゲームをプレーする機会に恵まれ「夢みたいでした」と振り返ったたいぽん。今後は「現役の選手とプレーするのが、夢のひとつですね」と野望を語る。

「僕って打算的な行動ができなくて、直感で生きてきたんです」

 子どもの頃、みんながやっていたRPGには不思議と興味を惹かれなかった。楽器でも花形のギターよりベースに憧れた。そんなたいぽんの直感的なFIFA愛を貫く姿勢が実り、思いもよらない経験へと繋がっている。

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