たぬかなが困惑する「無敵の人」。女性ゲーマーの芽を摘む「容姿への侮辱」がネット上に作り上げられている (3ページ目)

  • text by Sportiva
  • 木鋪虎雄●撮影 photo by Kishiku Torao

 この先も女性蔑視は消えないと思います。今はまだ女性に対しての差別について男性側と話し合いができていないと思うんです。差別されていると思う点について、お互い意見を出してすり合わせていく。まずは身近なところからやっていきたいですね」

 eスポーツのよさは、男女区別なく競い合える点、オンライン対戦・配信が可能な点、ファンとの距離が近い点などだが、これら長所が他のスポーツに比べて女性蔑視が表面化しやすい素地になってしまっている。

 今はまだ女性ゲーマーの数が少ないため、表立って抗議する人は少ないが、女性の進出を拒むほどに深刻化している今、ファンの意識改革は最も重要なことだ。それと並行して、eスポーツの団体等による選手とファンの在り方についてのガイドライン作りを始め、プロゲーマーやゲーム配信者に対するメンタルケアもより必要になってくるのではないだろうか。

(前編はこちら)

【Profile】
たぬかな
1992年11月21日生まれ、徳島県出身。eスポーツチーム「CYCLOPS athlete gaming」所属。プレーゲーム「鉄拳」。中学時代から才能を発揮し、高校卒業後に日本人としては2人目となる女性プロゲーマーとなる。アメリカで開催された世界最大規模の格闘ゲーム大会「ComboBreaker 2017」の鉄拳部門で 3位となり、「TEKKEN World Tour Online(Asia-Pacific East)」で2年連続準優勝に輝くなど好成績を残す。

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