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【男子バレー】ネーションズリーグで圧巻の13連勝もメダル獲得ならず 五輪を目指す日本の現在地 (3ページ目)

  • 小宮良之●文 photo by Yoshiyuki Komiya

 第3セット、第4セットでチームに活力を与えたのは西本圭吾だった。ミドルとしては小柄ながら、神出鬼没の機動力で高さに対抗。中国を幻惑し、咆哮した。

「大事な場面で決めきれるか」

 髙橋はそう語っているが、その覚悟がチーム全体に伝播していた。

「(ロラン・)ティリ監督も『全員がボールをほしがるように。大事な場面で引かずに、自分たちから攻めていけるようにしよう』と言っていますが、本当にそうだなって思います。自分自身が決めきる、この試合を終わらせる、というマインドでやっていますね」

 日本は13連勝という、ひとつの成果を叩き出した。

 準決勝、強豪のアメリカ戦でも、日本は1セット目を失いながら2、3セット目を取り返し、地力の強さを見せた。相手がサイドへの防御を固めてきたら、ラリーや山内晶大がクイックで反撃。深津英臣が相手の急所を突くようなサーブで崩すと、髙橋や小川智大が粘り強くボールを拾い、ラリーに持ち込んで、石川が技ありの一撃を決めた。

 ファイナルセットは序盤からリードを許したが、宮浦健人の一撃で12-11と逆転。コートの全員が関わるラリー戦をものにし、フルセットで無敗の「不屈さ」を感じさせたが、相手のリリーフサーバーに連続ブレイクを許し、最後は13-15で力尽きた。

 その敗因は検証する必要があるが、西田の「少しの差ですが、これがバレーボール」という言葉が今はすべてだろう。スロベニア戦もその延長だった。日本はこの1年で確実に成長したが、僅差で栄光を逃した。それ以上でも、以下でもない。それが現在地だ。

「今シーズン、大事なのはロス五輪出場がかかったアジア選手権」

 その目標はチームに共有されている。VNLでメダルを逃した無念さも糧に。9月、福岡・北九州市で開催されるアジア選手権が山場となる。

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著者プロフィール

  • 小宮良之

    小宮良之 (こみやよしゆき)

    スポーツライター。1972年生まれ、横浜出身。大学卒業後にバルセロナに渡り、スポーツライターに。語学力を駆使して五輪、W杯を現地取材後、06年に帰国。著書は20冊以上で『導かれし者』(角川文庫)、『アンチ・ドロップアウト』(集英社)など。『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューし、2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を刊行。パリ五輪ではバレーボールを中心に取材。

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