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【男子バレー】日本代表と大阪ブルテオンの守備職人、山本智大の横顔「見返してやると思ったときが一番の転機」 (2ページ目)

  • 小宮良之⚫︎取材・文 text by Yoshiyuki Komiya

【ここ一本を止めて流れを掴む】

「2019年に初めて代表に呼んでもらったんですが、(フィリップ・)ブラン監督にめっちゃイラついていました」

 山本は笑みを浮かべて言う。

「周りのリベロはベテランで、自分は初招集だったんですけど、『(山本は)3番手だけど、大会には連れて行く』という監督の言い方に腹が立って。でもそれでスイッチが入りましたね。"見返してやる"と思ったときが、一番の転機だったと思います。ワールドカップで自分のプレーを示して、そこからは徐々に東京五輪、そしてパリ五輪と」

 その反骨心が、山本の感覚を極限まで研ぎ澄ませてきたのかもしれない。

〈潮目を変える〉

 それを可能にするのが、至高の守備者だと言われる。山本はまさに、勝機を作り出せるリベロだ。

「すべてのボールを取れるとは思っていません。でもバレーは流れのスポーツなので、"ここで一本上げたら"、"ここで一本返せたら"という勘が大事で、それについては自分もよいのかなと。それはパリ五輪でも、先日のウルフドッグス名古屋とのリーグ戦でも宮浦(健人)のスパイクを上げたときとか。ここ一本を取ることで、流れを変えられるポジションなので」

 バレーボールだけでなく、たいていのボールゲームの守備者は受け身で対応せざるを得ない。強力なアタッカーの能動的な攻撃に対応し、それを重ねていくことで技術が磨かれていく。言わばミスは大前提で、失敗を糧にできるかどうか――そちらのほうに、守備者の本分はあるのだろう。

 強力な相手に失敗させられる。その点、世界バレーで山本が対峙したトルコのラマザン・マンディラーチのサーブは実に強力だった。

「過去で一番、エースを取られたんじゃないですかね。僕だけじゃなく、(髙橋)藍までエースを取られていて。僕らふたりとも、あそこまでやられることはなかなかないので、びっくりしました。

(SVリーグ初代MVPの)ニミル(・アブデルアジズ)選手もすごいんですが、彼はトスが高いんでリズムが取れる。でもマンディラーチ選手はトスが低いうえ、無回転の速いフローターみたいなのが飛んできて。それも絶対に入ってくると感じるくらいミスもない。次も相手にいたら嫌ですね」

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