教え子の髙橋藍がプレーするサントリーサンバーズ大阪のAC、そしてU18監督へ 松永理生コーチが語るSVリーグの「大きな課題」とバレー界の未来 (3ページ目)
――松永さん自身は、SVリーグ、バレーボール界を盛り上げていくために、どんな活動をしていきたいですか?
松永 さまざまな課題があるとはいえ、SVリーグ全体を見れば方向性は間違っていないと思っています。プロとしてやるべきことはやる。そのなかで試合日程や収益化、見直すべきこともちゃんと取り組む。SVリーグや日本代表が中心となってバレー界が盛り上がりを見せるなか、追い風になる活動は絶対にしていくべきだと思います。
並行して、強化はもちろん、裾野を広げるアンダーカテゴリー事業も形にしていく。実際はU15、U18を作ることに対して否定的な意見も聞こえてきますが、チームとして強化したいから作る、のではなく、バレー界全体の将来を考えた強化や育成という面で必要だから組織として構築したい。組織づくりという面から改善が必要なので、よりよい未来につながるように僕自身も取り組んでいきたいです。
――松永さんの指導者としての一番の目標は、日本代表、トップチームの監督とのことですが、ご自身の未来をどう思い描いていますか?
松永 今年44歳なので、ここからもいろいろなことを学んで、経験して、10年ぐらい経った時にたどり着けていたらいいな、と思いますね。そんななか、来年の4月からサントリーサンバーズ大阪では新たなプロジェクトとしてU18がスタートします。そこで僕はU18の監督として活動をさせてもらうことになっています。U18では、サントリーサンバーズ大阪と箕面自由学園高等学校との共同プロジェクトとなっており、トップチームと地域とが協力しながらアンダーカテゴリーの強化を進めていき、バレー界の将来につながる育成をしていきます。サントリーサンバーズ大阪のU15、U18で育った選手たちが、いつかサントリーのトップチームに戻ってきたり、日本代表として世界と戦う選手が出てくることを実現させたいと思っています。とにかく、僕は今やるべきことに力を注いでいきたいです。
トップチームの監督、日本代表監督を目指すためにも、全力で楽しく小学生を教えて、中学生、高校生の指導も一緒に楽しむ。今を積み重ねて未来へつなげていきたいです。
【プロフィール】
松永理生(まつなが・りお)
1981年10月9日生まれ。京都府出身。東山高→中央大→パナソニックパンサーズ(現大阪ブルテオン)→豊田合成トレフェルサ(現ウルフドッグス名古屋)。2011年に現役引退。翌年、豊田合成からの外部派遣で中央大の監督に就任。関田誠大、石川祐希らを指導。2017年に同大の監督を退任。2019年から東山高のコーチとなり、髙橋藍らを育てる。現在は同校のアドバイザーを務めながら、SVリーグのサントリーサンバーズ大阪のアシスタントコーチとして活躍中。
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