【ハイキュー‼×SVリーグ】204cmのサントリー鬼木錬は高校から始めたバレーで挫折知らず 『ハイキュー‼』では音駒のクロの考えに共感 (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki

 昨シーズンは、チームのVリーグ制覇にも貢献した。決勝で勝者になる経験は何ものにも代えがたかった。

「これから自分が見たい風景ですか? それは、やっぱりオリンピックの舞台に立った景色ですね。パリオリンピックを見ても、20点以降は本当に難しい。そこで(得点を重ねるために)何ができるのか。それを意識してずっと練習していくことが大事ですね」

 そこで、最後に聞いた。

――タイムマシンで中3の錬くんに会いに行ったら、なんと告げる?

 彼は律儀に手をヒザにやったまま、大きな体を小さくして答えた。

「『(やるのはバスケより)バレーにしたほうがいいよ』と伝えますね。『きっと、いい人生が待っているよ』って。当時の自分もきっと、『やるよ』と答えるはずです」

 鬼木の今は約束されたものだ。

【鬼木が語る『ハイキュー‼』の魅力】

――作品の魅力は?

「『ハイキュー‼』は高校生の頃も流行っていたので、最初はみんなにつられて読みました。それでハマって、アニメも見てって感じですね」

――共感したことや学んだことは?

「学んだことで言うと、烏野の烏養繋心コーチの『下を向くんじゃねえ!!! バレーは常に上を向くスポーツだ』ですかね。たしかにそうだなって。ミスをしたあと、どうしても落ち込んでしまい、下を向いちゃうんです。そこで顔を上げて、チームメイトと目を合わせるのが大事だって参考になりました」

――印象に残った名言は?

「トータルディフェンスのところで、音駒のクロ(黒尾鉄朗)が、『チームワークが"ハマる"瞬間ってのは 多分お前が思ってるよりずっと気持ちいいぞ』と言う場面があるんですけど、そこは好きですね。自分もミドルブロッカーとして(スパイクを)止めるのは好きだけど、全部を止められるわけではない。だから、コースを絞って後ろの選手に拾ってもらう。チームで止める大切さを大学で学んでから、それが面白いと思っているので」

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