【バレー】エース・木村沙織が語る五輪への誓い。「8年前とは違う私がいる」 (2ページ目)

  • 松瀬学●取材・文 text by Matsuse Manabu
  • photo by Tomura Atsushi/AFLO SPORT

――エースとしては?

「日本が世界で勝つためには、コートに入る人も入らない人も全員が同じ気持ちにならないといけないと思っています。目の前の一本、目の前の試合に勝つという気持ちでいかないとこのチームは勝てない。エースというか、個人としては、苦しい状況のボールでも必ず、決めたいです。チームが苦しんでいる時こそ、みんなを引っ張ることができる選手になりたい」

――4年間の成長は?

「自分ではわからないんです。ずっとバレーをしてきて、柳本(晶一)さんだったり、真鍋さんだったり、菅野(幸一郎)さんなど、いろんなことを教えてもらってきました。"バックアタックをやってみろ"とか、"ブロックをこうしろ"とか要求もしてもらえたので、その課題をクリアできるよう、その年その年、取り組んで。期待に応えようと頑張ってきました」

――トスの高さや速さはどうするのですか?

「V・プレミアリーグの時は速いトスをチームで取り入れていたんですけど、やっぱり自分の持ち味が速いトスをすることでなくなってしまうなという印象が強かったので、セミファイナルから従来通りにしてもらったんです。相手からすれば、速い攻撃は読みやすいのかな、と思います。だから、速い攻撃よりも、自分でしっかり相手のブロックとレシーバーを見て、かわしながら打ちたい。テンさん(竹下佳江)が自分の打ちやすいトスとか、タイミングをわかってくれているので、速さも高さも心配していません」

――五輪経験者ならではの強み、あるいは過去の五輪と比べての違いは?

「過去はふり返らないタイプなので......(笑)。ただ8年前とは違う。(全日本に)入ってきた時は自分のことで精いっぱいで、自分のプレイのことしか考えていなかった。今は自分のプレイは当たり前。プラス、チームのこととか、周りのことを考えながらプレイするようにしています」

――2010年の世界選手権で日本は銅メダル。五輪のメダルも見えていますか?

「真鍋さんが監督になった時、最初に言われた目標が、五輪メダルでした。五輪のメダルがほしいというより、真鍋さんの目標を達成したいというイメージが強いですね」

――最終予選の会場もファンも盛り上がります。プレイで伝えたいことは?

「バレーはやっぱり、身長だったり、体格だったり、日本は海外と比べると高くないですけれど、チームワークだったり、お互いを思い合う気持ちだったり、チーム全員が束になることでどんなチームも上回ることができる。どんな状況になっても、勝つために全員が最後まで必死になったらいいナと思います」

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