錦織圭はベストなタイミングでマイケル・チャンをコーチに選んだ 杉山愛「ピッタリな指導者に出会えるのは本当に大事なこと」 (3ページ目)
【彼なら圭をプッシュしてくれる】
そのようなエピソードを杉山さんに伝えると、彼女は「ギルバートと圭は合わないだろうなと思っていたので、終わった時には『やっぱり』と思いました」と言った。ギルバートと錦織の契約は1年限りで終了。それから2年後の2013年末、2014年シーズンから新たに「レジェンド・コーチ」としてチームに加わったのが、マイケル・チャンである。
17歳で全仏オープンを制したマイケル・チャンは、杉山さんより3歳年上。小柄な東アジア系という共通点もあったためか、チャンは杉山さんを何かと気にかけてくれ、また杉山さんもチャンを尊敬していたという。
「マイケルも私も、契約していたラケットメーカーが同じプリンスでした。そんな縁もあり、現役の頃のマイケルの練習や試合への取り組みは、いろいろと見させてもらっていたんです。
それこそ彼は現役時代、通常のラケットより1インチ(約2.54センチ)長いラケットを使い始めて有名になりました。彼も背が高くないなか、いろいろと試行錯誤し工夫しながら、ラケットの長さで身長を補ったんです。私にも『長尺のラケットのほうがサーブのスピードが出るよ。愛も試してみなよ』と言ってくれたり。マイケルも、彼の兄でコーチのカールもすごく私に親切で、いつも気にかけてくれていました。
マイケルは人となりもすばらしいですし、本当にストイック。そういう意味でも、圭のコーチにはピッタリなんじゃないかなとは思っていたんです。特にメンタル的なところで、マイケルはめちゃくちゃ強くてタフでしたから、彼なら圭をプッシュしてくれる。
厳しく細かいトレーニングにしても、練習にしても、積み重ねていけば、やがてそれが日常になっていきます。マイケルがコーチになったことで、圭はグッと伸びました。選手にとって一番伸びる時期に、ピッタリな指導者に出会えるのは本当に大事なことだなというのも、圭の活躍を見てあらためて思いましたよね」
体系的かつ精緻な練習。助言を取捨選択する判断力。そして、よきタイミングでのよきコーチとの出会い。それら複数の要素が重なったことで、錦織は世界4位にまで上り詰めたというのが杉山さんの見立てだ。
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