チチパス優勝で世代交代は加速する。錦織圭は来季復活なるか正念場だ (3ページ目)

  • 神 仁司●文・撮影 text&photo by Ko Hitoshi

 5月下旬頃から、たびたび右ひじにテーピングをしてプレーをしていた錦織は、断続的な痛みに悩まされて、USオープン以降、9月から戦線を離脱していた。そして、10月22日に日本で右ひじの手術を決行して2本の骨棘(こつきょく)を除去し、現在はリハビリ中だ。

 ここ最近フェデラーもナダルも、まずは健康が最優先であることを会見で語ることが多く、錦織も30歳を目前にして、自分の体について次のように語ったことがある。

「年齢を重ねてくると、より(自分の健康が)大事なのは感じています。昔というか、以前とトレーニングの仕方を変えてみたり、スケジュールを変えてみたりした。たしかに20代(前半)や10年前と比べてちょっと体の違いはある。それがさらに、30や35ぐらいになるとまた変わってくると思う。(大会出場数を絞る)ロジャーのスケジューリングを見ると、数年後あるいはもっと先、40以上かわからないですけど、たぶんそれを見据えたスケジューリングなんだと思う。ナダルも最近ケガがあるので、スケジュールをすごく考えているんだろうなと感じる。自分自身も、体の調子やメンタルの維持、その大事さは、さらに年を重ねるごとにヒシヒシと感じています」

 右ひじの手術をするのは、2009年8月以来2度目だが、その時は本格的にプレーできるまで約1年を要した。

 2018年2月に右ひじの手術をしたジョコビッチのように、比較的に早期にプレーを再開して、2018年7月のウインブルドンで復活優勝に至ったという成功例もある。

 ただ、リハビリ進捗がわからないため、2020年シーズンに30歳になる錦織が、必ず復活できると簡単には言えない。東京五輪も出場できるかどうかわからない。今言えるのは、錦織がまさに進退をかけた戦いに臨もうとしていることだけだ。

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