2018.09.09

初Vへ辿り着けなかった何かの答え。
それでも強い錦織圭は帰ってきた

  • 神 仁司●文・写真 text&photo by Ko Hitoshi

 錦織圭の快進撃は、またもや高い壁となって立ちはだかったノバク・ジョコビッチによって止められた――。

 グランドスラム今季最終戦・USオープン準決勝で、第21シードの錦織(ATPランキング19位、8月27日づけ/以下同)が、第6シードのノバク・ジョコビッチ(6位、セルビア)に、3-6、4-6、2-6で敗れ、4年ぶり2度目の決勝進出はならなかった。

今大会もジョコビッチが錦織圭の前に立ち塞がり、結果はベスト4 USオープンで、錦織はトップ10選手との対戦成績がよく、6勝1敗(全豪3勝6敗、全仏0勝4敗、ウィンブルドン0勝3敗)なのだが、この好データも今回のジョコビッチ戦には全く当てはめられなかった。

「彼(ノバク)とプレーするための、たくさんのエネルギーが自分にはなかった。今日は(自分)らしさを出せず、彼のレベルについていけなかった場面もあった」

 こう語った錦織は、準々決勝で4時間8分におよんだマリン・チリッチ(7位、クロアチア)戦との5セットマッチから体力が回復しきれておらず、彼本来の素晴らしいショットメイクも影を潜めた。錦織は、ジョコビッチのサービスゲームを一度もブレークできず、22本のウィナーを決めたものの、彼にしては多い51本のミスを犯した。さらに試合終盤では、フットワークがいいはずの錦織の足が動かなくなり、半ば自滅するような形になった。

 一方、ジョコビッチは、錦織の一次攻撃を守備範囲の広い驚異的なディフェンスで深く返球。ミスも少なく的確にコントロールして、錦織を劣勢に追い込んだ。とりわけ、この日のジョコビッチは、コートのコーナーに決まるバックハンドのダウンザラインへのショットがすばらしかった。